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相続評価額(遺産の評価額)を抜け漏れなく計算する方法

相続評価額(遺産の評価額)を抜け漏れなく計算する方法

相続財産の評価にはコツがあります。

実は、財産の「市場価格」と「相続財産の評価額」は別物です。

例えば、売却すれば5,000万円、7,000万円の不動産があったとします。

この2つの不動産の相続財産の評価額が一緒(3,000万円)ということもあるのです。

相続税は、相続財産の評価額である3,000万円をベースにして計算します。

どちらの不動産を相続しても相続税が一緒ならトラブルになりますよね?

相続を考える時には、市場価格と相続財産評価額の両面から検討する必要があるのです。

本記事では、「相続財産の評価額」を焦点に充てて財産毎の評価方法を解説します。


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相続財産を評価する方法

【目次】

  1. 遺産リストの全体像
  2. 相続財産
  3. みなし相続財産
  4. 贈与した財産
  5. 相続財産から除くもの

遺産リストの全体像を掴む(1)

遺産リスト

上図は、遺産リストの参考例です。

遺産リストは大きく4つのカテゴリーで把握する必要があります↓↓

  • 相続財産
  • みなし相続財産
  • 贈与した財産
  • 相続税から除くもの

「相続税から除くもの」以外は、全てプラスの財産としてカウントします。

上図の遺産リストの参考事例では、詳しい計算方法や、一般的でない財産は省略しています。

財産の詳しい計算方法などを詳しく知りたい方は、これ以降を参考にしてください↓↓

相続財産(2)

財産の種類毎に見積もり方法を詳しく解説します↓↓

  1. 不動産(自宅)
  2. 不動産(賃家)
  3. 不動産(自宅・賃貸以外)
  4. 農地・山林
  5. 借地権
  6. 借家権
  7. 上場株式
  8. 取引相場のない株式
  9. 公社債
  10. 預貯金
  11. 貸付金・未収入金
  12. 受取手形
  13. 退職金
  14. 生命保険
  15. 自動車
  16. 電話加入権
  17. 書画・骨董
  18. 家庭用財産
  19. ゴルフ会員権
  20. 仏具・墓地

不動産(自宅)(2-1)

不動産の場合、土地と建物を別々に評価する必要があります。

土地は、国税庁が毎年公表する「路線価」を用いて計算します。

建物は、固定資産税評価額を用います。

固定資産税評価額は、納税通知書(課税明細書)に記載されています。

納税通知書は、毎年春に役所から送付されます。

さて、不動産の評価額を精緻に計算するのは難しいのが現実です。

土地の形状で評価額の補正があったり、路線価がない場合があるからです。

簡易的に不動産の評価額を計算する方法はないのでしょうか?

簡易的な不動産評価には、実勢価格を用いた計算方法がおススメです。

実勢価格とは、不動産の売買金額のことです。

実勢価格さえわかれば、とんとん拍子で不動産評価額を計算可能です↓↓

自宅の敷地のうち、330㎡までの部分の評価額は以下の計算式で求めます。

  • 「実勢価格×80%」(≒路線価)×20%

実勢価格×80%が路線価と近い数字になることを利用して計算しています。

最後に、路線価に20%をかけるのは「小規模宅地等の特例」を利用するためです。

そのため、自宅の敷地のうち、330㎡を超える部分は以下のように計算します。

  • 「実勢価格×80%」(≒路線価)

330㎡を超える部分には、小規模宅地等の特例を適用することができません。

以上が、土地の相続税評価額の計算方法です。

建物は、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になります。

これまでに説明した不動産の相続税評価額の計算方法をまとめます↓↓

  • 実勢価格×80%×20%(330㎡以内の土地)
  • 実勢価格×80%(330㎡超の土地)
  • 固定資産税評価額(建物)

では、実勢価格はどうやって調査すれば良いでしょうか?

不動産価格の無料見積もりを利用するのが賢い調査方法です↓↓

なぜならば、不動産業者によって実勢価格が数百万円単位で変動するからです。

信頼できる不動産業者がいない場合は複数の業者の意見に耳を傾けてください。

複数の不動産業者の平均値を「実勢価格」として計算すれば良いでしょう。

土地と建物をセットで見積もりを依頼する場合、さらに簡易的な計算方法があります。

  • 実勢価格(見積もりの平均値)×80%

小規模宅地等の特例を利用できるなら、以下の計算式で計算しましょう。

  • 実勢価格(見積もりの平均値) × 80% × 20%

不動産(賃家)(2-2)

賃貸不動産の場合は、以下の簡易計算式を利用してください。

  • 実勢価格×80%(≒路線価)×80%(土地)
  • 固定資産税評価額×70%(建物)

路線価に80%をかけるのは、権利の一部を他人に貸しているからです。

実勢価格の調査方法は、以下の記事を参考にしてください。

不動産(自宅・賃貸以外)(2-3)

自宅・賃貸以外の不動産は、以下の簡易式を利用してください。

  • 実勢価格×80%

実勢価格の調査方法は、以下の記事を参考にしてください。

農地・山林(2-4)

耕作単位となっている1枚の農地ごとに次の種類に応じて評価します。

  1. 純農地(山林)・中間農地(山林)
  2. 市街地農地(山林)
  3. 市街地周辺農地(山林)
純農地(山林)・中間農地(山林)(2-4-A)

倍率方式で評価します。

倍率方式では「固定資産税評価額」×「評価倍率」で計算します。

固定資産税評価額とは、固定資産税の基準となる価格のことです。

固定資産税の納税通知書に同封されている課税明細書で確認することができます。

また、評価倍率は国税庁のホームページで確認することができます。

市街地農地(山林)(2-4-B)

その農地(山林)が宅地であるとした場合の価格から造成費として定められた金額を控除した金額で評価します。

市街地周辺農地(山林)(2-4-C)

市街地農地の8割に相当する金額で評価します。

借地権(2-5)

借地権とは、建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権のことです。

土地自体は被相続人の持ち物ではなくても、借地権を所有することでその土地に建物を建てることができます。

なお、借地権の中には現在の契約が終了すれば自動的に借地関係が消滅する「定期借地権」と呼ばれるタイプもあります。

借地権の評価額は、以下の考え方で評価します。

  • 自用の土地の評価額」×「借地権割合」×「借家権割合

なお、借地権割合(3割~9割の7段階)は路線や地域ごとに路線価図または評価倍率表に記載されています。

もしわからなければ、税務署に備え付けの路線価図をみればわかりますので確認してみましょう。

借家権(2-6)

借家権は、以下の考え方で評価します。

  • 自用の土地の評価額」×「借地権割合」×「借家権割合

なお、借家権割合は税務署の窓口で確認すれば教えてもらえます。

上場株式(2-7)

上場株式の相続税評価額は、事前に正確な値を見積もることはできません。

以下4つのパターンのうち、一番低い金額により評価することになっています。

# 評価方法
1 相続開始の日の終値
2 相続開始があった月の終値の月平均額
3 相続開始があった月の前月の終値の月平均額
4 相続開始があった月の前々月の終値の月平均額

取引相場のない株式(2-8)

取引相場のない株式の場合は、以下4つの方式があり、会社の規模、株式の態様、資産の構成割合などに応じて決められます。

  1. 類似業種批准方式
  2. 純資産価額方式
  3. 類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式
  4. 配当還元方式

上記いずれの方式にしても、素人では算出することは困難だと思います。

非公開株の存在が明らかになった時点で、税理士などの専門家に評価を依頼しましょう

類似業種比準方式(2-8-1)

類似業種比準方式は、比較的規模の大きな会社に適用される方式です。(相続税財産評価基本通達に定める大会社)

この方式は、類似する業種の平均株価をもとに、1株当たりの配当金額・年利益金額および純資産価額の3つの要素を類似業種と比べることで、非上場株式の株価を計算する方法です。

純資産価額方式(2-8-2)

純資産価額方式は、会社の資産と負債を時価評価して、正味の純資産価額を計算し、時価に換算した評価差額に対する法人税額を差し引くことで評価する方法です。

類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式(2-8-3)

類似業種比純方式により評価した価額と純資産価額方式により評価した価額を一定の割合で加重平均する方法です。

配合還元方式(2-8-4)

配当還元方式とは、過去2年間の配当金額を10%の利率で還元して、非上場株式の価額を求める方式です。

公社債(2-9)

公社債は、割引発行のものと利付きのもので計算方法が異なります。

割引発行のものの場合は、以下の考え方で評価します。

  • 発行価額」+「相続開始日までの経過利子

また、利付のものは以下の考え方で評価します。

  • 発行価額」+「前回の利子支払日の翌日から相続開始日までの経過利子

現金・預貯金(2-10)

預貯金の評価額は、以下の考え方で評価します。

  • 被相続人が亡くなった日現在の預入れ残高」+「亡くなった日に解約するとした場合に受け取ることができる利子の額

なお、預貯金は土地と違って評価額を抑える特例などはありません。

そのため、節税対策を考える人の中には生前贈与として子供や孫の口座にお金を振り込むことで対策することを考える人もいます。

年間110万円までは非課税でお金を贈与できるため、節税対策としては有効な手段ですがポイントを外すと「名義預金」と判断されて相続税の対象となってしまいます。

家族名義の預金情報は、税務署が必ずチェックする項目だともいわれていますので最新の注意を払ってください。

なお、名義預金の対策については以下の記事にまとめています。

貸付金・未収入金(2-11)

貸付金・未収入金は、以下の考え方で評価します。

  • 元本」+「相続開始日までの経過利子

回収不能額があるときは、その金額は元本に含めません。

なお、相続人が認識していない多額の貸付金がある場合でも、税務署のチェックで発覚することがあります。

そして、貸付金が回収できる場合には、回収分に対しては相続税がかかります。

ここで知っておいて欲しいことは、税務署はしっかりと被相続人のお金の流れをチェックできるということです。

付け焼刃の相続対策などは、何の役にもた立ちませんから早め早めの対策が必要です。

受取手形(2-12)

支払期限の到来しているもの、および課税時期から6ヶ月以内に期日の到来するものは券面額が相続財産となります。

また、それ以外のものは、課税時期に銀行などで割引した場合に回収できる額が相続財産となります。

退職金(2-13)

退職金は支給額が相続財産になります。

しかし、退職金には非課税限度額が設定されているため、相続税がかからないことがあります。

生命保険(2-14)

生命保険は、支払われた保険金額が相続財産になります。

しかし、生命保険には非課税限度額が設定されています。

自動車(2-15)

自動車は中古価格が相続財産になります。

なお、相続により車をなるべく高く売却するのであれば一括査定のサービスを利用するのがオススメです。

電話加入権(2-16)

電話加入権は、譲渡した場合の価額で評価します。 

書画・骨董(2-17)

売買実例価額、精通者意見価額を参考にして評価します。

なお、販売業者が有するものは棚卸商品評価で評価します。

家庭用財産(2-18)

家庭用財産は、原則として評価しようとするものと同種、同規格、同程度に消耗したものを買う場合の調達価額で評価します。

ゴルフ会員権(2-19)

取引相場の70%で計算します。

なお、取引の成立しないものはほぼ無価値です。

仏具・墓地(2-20)

仏具・墓地は非課税です。

但し、過度に華美なものは課税される可能性があります。

しかし、過度な華美かどうかの線引きは曖昧です。

みなし相続財産(3)

死亡時に入る保険金・退職金も相続の対象になります。

贈与した財産(4)

贈与した財産の一部は、相続財産に加える必要があります↓↓

  • 相続人に3年以内に贈与した財産
  • 相続時精算課税を利用して贈与した財産

相続財産から除くもの(5)

全ての財産が課税対象になるわけではありません。

課税対象から除かれる財産を以下に挙げておきます↓↓

  • 死亡保険金の非課税限度額
  • 死亡退職金の非課税限度額
  • 葬式代金
  • 借金・ローン
  • 未払い金・税金

まとめ

遺産リストの作成は、相続対策の第一歩です。

遺産リストに抜け漏れがあると相続税対策も抜け漏れが発生します。

また、残された遺族が混乱する事態を招くことが容易に想像できます。

面倒な作業かもしれませんが、頑張って仕上げてください!

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