月刊マネー

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

確定拠出年金に専業主婦が加入する2つのメリットと最大の落とし穴

確定拠出年金に専業主婦が加入する2つのメリットと最大の落とし穴

確定拠出年金に専業主婦が加入するメリットはあるの?

2016年5月24日に「確定拠出年金法改正案」が成立しました。そのため、2017年1月から専業主婦や公務員も確定拠出型年金に入れるようになりました。

しかし、政府や金融機関に「安心安全な老後の資産運用です!」と説明されても、「損をするのではないか?」、「本当に加入したほうがいいのか?」、「何か裏があるのではないか」と疑問に思う方も多いと思います。

確定拠出年金に限らず、あらゆる物事はしっかり理解してから挑戦しなければ必ず後悔すると思います。そこで今回は、確定拠出年金についてなるべくわかり易く解説していきます。

なお、この記事は以下の2本立てのテーマで話を進めていきます。

  1. 確定拠出型年金とは?
  2. 専業主婦が加入してお得になるの?

確定拠出年金について基本的な知識から確認したい方は「A 確定拠出型年金とは?」から読み進めてください。

一方で、基本的な知識は大丈夫という方は、「B 専業主婦が加入してお得になるの?」から読み進めて下さい。

この記事を読むことで、自分が確定拠出年金に加入したほうがいいのか理解できると思います。


Sponsored Links

確定拠出年金とは?(A)

確定拠出年金とは

上図は、公的年金、確定給付年金、確定拠出年金を4つの観点で比較した表になります。(※上図は必要の都度掲載します)

確定拠出年金に主婦が加入するメリットを解説する前に、そもそも確定拠出年金とは何かという基本的な点から順に説明していきます。

  1. 公的年金とそれ以外(確定給付・確定拠出)の違い
  2. 確定給付年金と確定拠出年金の違い
  3. 確定拠出年金の法改正の内容(2017年1月~)

公的年金とそれ以外(確定給付・確定拠出)の違い(A-1)

まずは、日本の年金制度の基本的な構造から理解しておきましょう。

  1. 基礎年金(公的年金)
  2. 厚生年金(公的年金)
  3. 企業年金(一部大企業のみ)

以上3つのうち、「a.基礎年金」と「b.厚生年金」は公的年金といわれています。

基礎年金は全ての国民が加入している制度(一部例外を除き)であり、厚生年金はサラリーマンの多くが加入しています。

また、企業年金は一部の企業のみが導入している制度ですので、多くの日本国民には縁がないと思います。

つまり、専業主婦の多くは「基礎年金」と「厚生年金」(勤続していた期間のみ)を老後に受給することになります。(もちろん大企業に務めていた場合は企業年金の受給もあるでしょう。しかし、退職時に一括して受け取っている場合もあります。)

しかし、2017年1月からは、今まで企業年金にあたる3階建て部分に縁がなかった人であっても、3階建て部分を拠出年金として任意で積み増せることができるようになりました。(詳細は後述)

ここまでが年金制度の基本的な枠組みについての説明です。

ここからは、1階建て・2階建て部分の公的年金と、3階建て部分(確定給付 or 確定拠出)の違いを以下の4つの観点で整理しておきます。

確定拠出年金とは

  1. 金額(財源は誰が捻出するか?)
  2. 運用責任(誰がリスクをとるか?)
  3. 対象は誰か?
  4. 受給開始

金額(A-1-a)

公的年金は賦課方式(ふかほうしき)です。賦課方式とは、現役世代が納めた掛金をリタイヤ世代である受給者達が受け取る方式です。少子高齢化が進行する将来においては、非常に心もとない制度だといえます。

一方で、確定給付年金や確定拠出年金は、現役世代が将来の自分たちのために掛金を払う制度です。そのため、将来の人口構成がどうであろうと影響を受けないことが特徴です。

運用責任(誰がリスクをとるか?)(A-1-b)

公的年金は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)という組織が、その時の政権の意向に沿った方針で運用しています。

運用しているのは国ですが、そのツケは結局は国民に押し付けられる可能性が高いことを覚えておきましょう。

一方で、確定給付年金や確定拠出年金は、企業や個人が方針を決めて運用します。なお、どちらにせよ実際に金融商品を売り買いするのは、金融機関であり私達は方針を決めることしかできません。(詳細後述)

対象(A-1-c)

公的年金の1階建て部分は、原則すべての日本国民が対象になります。そして、2階建て部分の厚生年金はサラリーマンが対象になります。

一方で、確定給付金や確定拠出年金は、2017年1月までは限られた企業に勤めるサラリーマンのみが対象でしたが、今後は今まで縁がなかった主婦を含めた20代~60未満の全ての現役世代が対象となります。

受給開始(A-1-d)

公的年金の受給開始時期は、この記事を書いている時点(2016年6月)で男性54歳以下、女性49歳以下の場合には65歳から受給が開始されます。

それよりも若い世代では、さらに受給開始が遅れる可能性は十分あります。それは公的年金が、賦課方式である以上あり得ることです。

一方で、確定給付年金や確定拠出年金は、企業や個人により多少の違いはありますが、おおむね60歳~70歳の間に受け取ることができます。

公的年金とそれ以外の違いについて、ざっくり説明したところでこれまでの内容をまとめていきます。

公的年金はいわば国が運用するものであり私達の意思が介入する余地はありません。

また、確定給付年金はそもそも多くの人には縁がないものですが、仮に勤める企業が導入していても運用方針は勤め先の経営陣が決めるものであり、従業員の意思は反映されません。

しかし、確定拠出年金はこれまでと打って変わって、全てを自分の裁量で運用しなければいけない点が最大のポイントです。(詳細後述)

さて、ここまでは1階・2階建て部分の公的年金と、3階建て部分の確定給付年金・確定拠出年金を比べてきました。

ここからは、3階立て部分に該当する「確定給付」と「確定拠出」の違いについて説明していきます。

確定給付年金と確定拠出年金の違い(A-2)

確定拠出年金とは

賦課方式の公的年金だけで自分たちの老後が載り切れるか不安だという場合には、3階分に該当する「確定給付年金」と「確定拠出年金」のどちらかに加入することになります。

現実的には、「確定給付型年金」を企業年金採用している企業にお勤めの方は、そのまま企業年金に加入し続けることになります。しかし、これまで確定給付型の企業年金を導入していた企業でも、確定拠出型年金に切り替える動きもありますので、確定拠出型年金について知っておいて損はないでしょう。

そもそも日本には「確定給付年金」しかありませんでしたが、2001年から確定拠出年金が誕生しました。確定拠出年金はアメリカで普及していた「401kプラン」をモデルにしているそうです。

ここで、「そもそも確定拠出年金はなぜ生まれたのか?」という点を理解すれば、確定拠出年金を深く理解することが出来ます。

確定拠出年金が誕生した理由を一言で言えば、「企業が抱えるリスクを個人に転嫁したかった」という1点につきます。

確定拠出年金は企業から個人へのリスク移転

確定給付年金は個人にとっては将来にもらえる年金額が決まっているのでわかり易い制度でしたが、企業側にとってはリスクの大きい制度でもありました。

なぜならば、企業年金の運用が上手くいかなかった場合には、その穴埋めは企業の収益で賄わなければならないからです。

企業年金の運用が上手くいくかいかないかは、確実なことは誰にもわかりません。それは経営計画に不確定要素を残すことに他ならないのです。

そのため、不確定要素を企業から個人に移転するために2001年に導入された仕組みが「確定拠出年金」なのです。

つまり、加入者個人の裁量で運用方法を選択できる一方で、運用結果によって給付額が変化する制度だと理解してください。

確定拠出年金の法改正の内容(2017年1月~)(A-3)

2001年に確定拠出年金が登場してから、従来の確定給付年金から確定拠出年金に制度を移行する企業も増え始めました。

制度の導入時は、掛け金は企業が負担する「企業型」が大半だったわけです。しかし、その一方で、企業年金(確定給付年金)を導入していない企業に勤めるサラリーマンや自営業者も任意で加入できる「個人型」も生まれたのです。

そして、ここからが本題になるわけですが、2016年5月24日に「確定拠出年金法改正案」が成立したため、確定拠出年金に加入できる対象者が大幅に広がりました。

制度改正により、サラリーマンや自営業者だけではなく、20歳~60歳未満のすべての現役世代が対象(専業主婦や公務員も含む)になったのです。(低所得で国民年金保険料免除の方を除く)

さて、確定拠出年金について、以下の観点に沿って、更に掘り下げて説明していきたいと思います。

  1. 申し込み先はどこ?
  2. 毎月の掛け金
  3. 運用方法
  4. 年金の給付タイミング・受け取り方法

申し込み先はどこ?(A-3-1)

個人で確定拠出年金に申し込む場合は、「運営管理機関」として認定されている金融機関に申し込む必要があります。

金融機関によって、扱う商品や手数料が違うため、金融機関を選ぶ段階から勝負は始まっているといえます。

毎月の掛け金(A-3-2)

毎月の掛金は、月額5,000円以上から1,000円単位で設定することができます。

そして、対象者によって月額の限度額が以下のように設定されています。

  • 自営業者 ⇒ 68,000円
  • 企業年金のない会社員 ⇒ 23,000円
  • 公務員や企業年金のある会社員 ⇒ 12,000円
  • 専業主婦 ⇒ 23,000円

運用方法(A-3-3)

確定拠出年金の運用方法は、「元本確保型」~「ハイリスク型」まで様々なラインナップの中から、運用する割合を決めることになります。そして、一度決めた運用割合はその都度変更することができます。

なお、現在すでに確定拠出年金に加入している人の多くは、「元本確保型」に掛金の約6割を当てており、100%元本確保型商品にしている加入者は4割を超えています。(企業年金連合会の2013年度調査より)

元本確保型商品に加入するくらいならば、銀行預金十分ではないかと考える人も多いと思いますが、確定拠出年金は使い方を間違えなければ「確実に儲かる金融商品」だといわれているように、預金にはないメリットもあるのです。(詳細は後述)

年金の給付タイミング・受け取り方法(A-3-4)

年金の受け取りは、加入期間が10年以上の場合は、60歳~70歳までの間に開始します。しかし、加入年数が短いと受け取り年齢は引き上げられます。

つまり、50代以降で確定拠出年金に加入する方は、将来設計を見据えて加入する必要があります。

なお、受け取りの際は「一時金」、「年金(年に何回支給かも選択)」、「年金と一時金との併用」などのパターンから選んでいくことになります。

これまでの確定拠出年金の説明で、「確定拠出年金」は何から何まで自分で決めなければいけない特徴があるとわかったと思います。公的年金のように、納めていればいつかは貰えるだろうと漠然と考えて良いものではありません。

さて、これまでの説明で、確定拠出年金の概要は理解いただけたと思います。

ここからは、専業主婦が公的年金に加入して本当に特になるのかという点について掘り下げて行きたいと思います。

専業主婦が加入してお得になるの?(B)

今まで専業主婦は、企業型確定拠出年金に加入していた場合でも、一度会社を辞めてしまうと、それ以上掛金を払うことが出来ず、それまでの積み立て金を運用するしかありませんでした。

しかし、今後は新たに個人型に加入することができるので、運用するお金を増やすことができますし、仕事復帰しても継続して運用できるようになりました。

でも、誰もが感じているのが「本当にお得になるの?」という点だと思います。

結論から言えば、利用の仕方さえ間違わなければ「ほぼ確実に儲かる」のが確定拠出年金です。

しかし、ほぼ確実に儲かるというメリットの裏には、他の金融商品にはない厳しい制限が存在します。

ここからは、以下の2点について順番に説明していきます。

  • 専業主婦が加入する2つのメリット
  • 最大の落とし穴

専業主婦が加入する2つのメリット(B-1)

専業主婦が企業型年金に加入するメリットは、2つあります。

  1. 運用益が非課税
  2. 給付金も控除の対象になる

運用益が非課税(B-1-1)

投資をやっている人であれば、痛いほど理解していると思いますが、株式、FX、投資信託、ETF(上場投資信託)などの金融商品で得た利益には、20.315%の税金がかかります。

一方で、確定拠出年金の運用益は非課税になります。

つまり、確定拠出年金での運用は、非課税の運用益に元本を加えて複利で運用できるので、他の金融商品に比べて運用効果はとても大きくなります。

なお、運用益が非課税になるのはNISA(少額投資非課税制度)も同様ですが、投資枠は年間120万円までですし、その期間は最大5年と決まっています。つまり、投資額は600万円(120万円×5)で、しかも売却のチャンスは一度きりと決まっています。

一方で、確定拠出年金は、非課税の期間が将来も続くので何度も利益を確定させられます。

これから、新規で株式投資などに手を出すくらいであれば、確定拠出年金に加入するのがおススメです。

しかし、これまでもこれからも金融商品に投資をするつもりはないという方もいらっしゃると思います。そのような方は運用益が非課税という点に魅力を感じないでしょう。

そんな方であっても、魅力的に感じるであろうメリットも存在しますので説明していきます。

給付金も控除の対象になる(B-1-2)

給付金の受け取り方には、一時金としてもらう方法と、分割してもらう方法があります。

一時金としてもらう場合には「退職所得控除」として8割程度が控除の対象となりますし、分割でもらう場合にも「公的年金等控除」という制度があります。

一方で、類似商品である「個人年金保険」では、給付を受けるタイミングで所得税が課税されてしまうデメリットがあります。

最大の落とし穴(B-2)

最大の落とし穴は、60歳までお金を引き出すことができないという点です。

実は、確定拠出年金のように、途中解約できない金融商品はあまりありません。ほとんどの金融商品は、解約してしまうと高い違約金が取られるため、解約することで元本割れするリスクがあるものの、解約することは可能です。

そのため、「いざ」という時に積立てたお金を引き出したいと思っても、絶対に引き出すことはできないリスクを肝に銘じる必要があります。

まとめ

これまでの話を総合すると、確定拠出年金に加入することにメリットのある人は老後の資産運用を積極的にしたい人に限られます。

もう少し具体的に述べれば、「老後資金を積み立てるために金融投資や個人年金保険への加入を考えている方」です。

運用益がでると税金がとられる株式投資などよりも、給付を受ける時に所得税が加算される個人年金保険よりも、メリットが大きいのは確かです。

でも、「60歳までは絶対に積立金を取り崩せない」ということだけは肝に銘じて下さい。

確定拠出年金の積み立ては、5,000円程度から受け付けていますのでお守り程度の気持ちで始めてみるのはいかがでしょうか。

Return Top